作業療法士(植草学園大学・国際医療福祉大学・昭和大学)

リハビリ職で働く&目指す先輩のインタビュー

大学卒業後、夢をかなえリハビリ職の専門家として活躍中の先輩や、現在、リハビリ職を目指して大学で学んでいる在校生にインタビュー。仕事のやりがいや、この進路を選んだ理由、学校選びのポイントなどをうかがいました。 「先輩たち」の生の声を進路選びの参考にしてください。

リハビリ職を目指す学生インタビュー 作業療法士編

潮 いつき先輩

音楽療法士を目指していた中で知った作業療法士の仕事。
幅広い可能性のある職業に魅力を感じています

植草学園大学
保健医療学部
リハビリテーション学科
作業療法学専攻3年 潮 いつき先輩

音楽療法士への憧れから作業療法士の道へ
希望する2つの進路が叶う植草学園

私は「音楽療法士になりたい」と思って植草学園に入学しました。
幼い頃からピアノを習っていたので、将来は音楽に関連した仕事をしたいと考えていました。音楽療法士という仕事を知ったのは中学2年生の時、学校が開催した英語スピーチコンテストに出場する際にどんなテーマにするか調べていた中で知りました。なんて素敵な仕事だろうと思ったのですが、音楽療法士だけでお仕事をしていくのは大変だということも分かり、さらに調べていくうちに作業療法と組み合わせて行うということも分かり、作業療法のお仕事にも興味を持ちました。

植草学園はこの2つの資格を同時に取得できる全国で2校のうちの1校ということで、志望しました。学校の説明会にも参加し、そのときの小児発達支援の先生のお話で「対象者目線で、できる方法を一緒に探していくことが大切」ということをおっしゃられていて、それまではリハビリをやらせるというイメージがあったのですが、一緒にやっていくというところに改めて魅力を感じました。

植草学園には総合型選抜で受験しました。試験科目は面接と小論文。小論文は学校から過去問を送っていただき、それが全部終わったのでもっと欲しいとお願いしたところ、とても快く対応いただいて、すごくありがたかったです。

作業療法の幅広さや可能性を感じた授業も
アイデアを出しながら進める授業も魅力

植草学園の魅力はやはり少人数で先生との距離が近いというところです。先生に顔と名前を覚えてもらえているので、とても安心感があります。また授業では、雑談で出てきたアイデアを先生も私たち学生みんなで「それいいね!」と肯定的に捉え、さらにそこからアイデアを膨らませていく、ということもよくあります。みんなで授業を作っている感じです。そしてインクルーシブなところも魅力だと思います。先生方も優しいですし、車椅子の学生、ヘルプマークをつけている学生も一緒に学んでいます。また提携幼稚園の園児が遊びに来ることもあり、誰でも来やすい大学という印象です。

特に好きな授業は「就労支援と作業療法」で、起業して就労支援の会社を立ち上げ、地域に根ざした活動をされている先生のお話を実際にお聞きしていく授業です。就労支援の現場に作業療法士がいることで継続率が上がるとのこと。作業療法の幅広さや可能性を感じ、働く場所は病院だけではないということも分かり、お話を聞くたびにとても刺激になっています。

大変だったのは、1年生の時の解剖生理学。やはりみんなこれには苦労しています。中学生が初めて英単語を覚えるように、見たことも聞いたこともないような言葉を、すべて一から覚えなければならず、苦労しました。ただ一番の基礎でもあるので、骨の形、筋の形など、とにかく何回も図に描いて覚えました。

音楽療法士の授業ではさまざまな太鼓を使うこともあります
コードハープという弦楽器で、これも音楽療法で使っています

コミュニケーションに難しさを感じた実習
長期実習に備えて基礎を再度勉強

臨床実習はこれまで2回行きました。どれも1週間と短い期間でしたが、大学とは異なる病院という独特の雰囲気の中で、緊張しながら過ごす期間はやはり大変な部分が多かったです。そんな中でも患者さんとの対話は印象に残っています。とても気さくにお話してくださる方もいれば、こちらから話しかけても、なかなか返答がない患者さんもいらっしゃいました。どのように質問したら患者さんが返答しやすくなるかなど、コミュニケーションの取り方についても改めて考えた、とても有意義な実習でした。

これから1か月の長期実習が始まるので、今はその勉強を頑張っています。特に、注意しているのは基本的なところです。例えば、患者さんの障がいと検査する項目が一致しないと、患者さん自身の症状の把握、またそれに合わせた症例も分からなくなり、結果的に何をしていいか困ってしまいます。こうした症状と検査の不一致は、実は一番あることだと先生もおっしゃっていました。実習に行く病院はもう決まっているので、いまからドキドキですが、習ってきたことをしっかり発揮できればと思っています。

学校に行きづらい児童のサポートにも関心
医療面からケアできる作業療法士を目指す

将来は、学校に行きづらさを感じている児童にアプローチができるような作業療法士になりたいと思っています。

両親と姉が小学校の先生なのですが、先生の大変さを間近で感じています。そんな先生のケアは誰がするのか、そんな中でどう子どもをサポートしていくのだろうと考えるうちに、医療的なアプローチから子どもをサポートし、そして先生の助けにもなる作業療法士になりたいと考えるようになりました。また音楽療法士資格は卒業と同時に2種の資格を取れるのですが、その上の1種の資格も取得したいと思っています。

将来さまざまな仕事がAIに奪われるかもしれないと危惧されていますが、作業療法士は逆に奪われにくい職業だと言われています。どうしても人と関わる仕事なので、AIにはできません。そういう面では絶対なくならない職業ですし、人間が行うことに意味がある職業だと思います。

作業療法士の仕事は理学療法士と比べると、イメージしづらい仕事かもしれません。でもとても幅広い職業なので、どうやって関わりたいか、どんな作業療法士になりたいか、勉強していくうちに、きっと自分の方向性を見いだすことができると思います。

人と関わることが好き、困っている人を助けたいという気持ちがあれば、直にサポートできるお仕事だと思います。ぜひ植草学園で自分が進んでいきたい方向性を探してみてください。

キャンパスおすすめスポット

カフェ・ロッサ(コーヒーラウンジ)

オープンカフェ気分で焼きたてのパンや香り高いコーヒーなどが楽しめます。

アートラボ(基礎作業実習室)

音楽療法、レクリエーション、感覚統合、座位保持装置適合技術などの演習で使用します。

生活習慣実習室・キッチン

自助具や障害体験グッズを用いた調理活動の作業分析と介入法の演習で使用します。その他、トイレや浴槽もあります。

植草学園大学 保健医療学部 リハビリテーション学科

住所:〒264-0007 千葉県千葉市若葉区小倉町1639番3
電話番号:043-233-9031(代表)
募集定員:作業療法学専攻 40名/理学療法学専攻 40名

平木 郁帆先輩

自慢のキャンパスでめざす夢は
真に信頼され、心を和ませることができる作業療法士

国際医療福祉大学
保健医療学部
作業療法学科3年 平木 郁帆 先輩

進路に悩む日々…
変わるきっかけはボランティア

高校時代はハンドボールに打ち込む毎日を送りました。でも、3年生のインターハイはコロナ禍によって大会中止に。それまで熱中してきた部活動が意外な形で終わってしまい、複雑な気持ちを抱えながら、将来について考えるようになりました。

ちょうどその頃に進路を決定する出来事がありました。親戚に作業療法士の方がいて、身体障害がある子どもたちのサッカー教室のボランティアスタッフに誘ってもらったのです。実際に子どもたちと関わってみて、障害を持つ人のイメージが大きく変わり、「周りのサポートや工夫さえあれば、障害にかかわらずやりたいことができる ようになる」と知りました。

そのことをきっかけに、僕も作業療法士として子どもたちの可能性を広げるサポートがしたいという目標ができました。「デスクワークより体を動かす仕事」「人と関わる仕事」を求めていた自分にとって、作業療法士はピッタリな仕事だと感じました。

ご近所に同級生
大田原市での一人暮らし

大学選びに関しては、「自立した生活を送りたい」という思いが芽生えて、一人暮らしができるエリアで進学先を探しました。さびしくはあったのですが、実際に新生活がスタートすると安心でした。大田原市内には、国際医療福祉大学の学生がたくさん住んでいるので、アルバイトの同僚が実は同級生だったということも珍しくありません。

そんな環境なので、プライベートでいろいろな学部学科の学生と知り合って、みんながどんな勉強をしているかも知ることができます。車での通学も慣れてしまえば普通のことです。入学してからこれまでを振り返ると、人間的にも大きく成長できたと思います。

僕が変われたのは、ただ一人暮らしを経験したからというだけでなく、周りの学生たちからの影響もあると思います。一般の大学と違って、将来の目標がはっきりしている仲間が多いので、学修に向かうモチベーションを高く保つことができました。

実際に病院で使用する評価器具で練習します
学生同士で実習を重ね、確かな知識と技術を身につけます

教科書以上の学びがある
リアルな声を聞く講義

国際医療福祉大学の学修では、教科書には載っていないこともたくさん学べます。例えば、実際の患者さんによる講義では、「このような処置をされたときは辛かった」などご自身の経験を基に話をしてくださりました。医療を受ける側のリアルな声を聞くことで、医療現場に出る前の心構えができました。どのようなことに気をつけるべきかが見えてきますし、病院のルールを押しつけてはならないということも分かりました。現場では患者さん一人ひとりに合わせた対応をすることになりますが、その必要性もしっかりと認識できました。

国際医療福祉大学大田原キャンパスの長所は、作業療法学科の学生の人数が80名と多いこと。ディスカッションやグループワークでより多くの意見に触れることができます。施設面については、まずは「広くて開放的」というところが印象に残るとは思いますが、それだけではありません。例えば、バーチャル解剖室という教室では、大きなディスプレイに人体の内部を表示する設備があります。作業療法士の国家試験の勉強で難しいポイントを、デジタルで分かりやすく学べるのですごく助かります。

キャンパスを訪れたら、図書館とカフェテリアをぜひ見てほしいです。図書館で真剣に勉強している学生、カフェテリアで友人と談笑する学生…それぞれの姿を見ると、国際医療福祉大学大田原キャンパスでの生活がイメージできると思います。

「本当の意味の信頼」を得たい
大学院進学を視野に学ぶ

いよいよ大学生活も後半です。長期間の実習にも出ます。大学3年生になってからは毎週金曜日、実際に1人の患者さんに複数人のグループで対応する時間があり、実践的な学修もできました。この経験をしっかり長期間の実習で活かしていきたいです。そして、現役の作業療法士が患者さんに処置を施すとき、どのような筋道で考えているのかしっかり学んでいきたいです。

大学卒業後は、大学院に進学する方向で考えています。専門分野を突き詰めていって、活躍できる人材になれればと思っています。理想は「患者さんから信頼される作業療法士になること」。ただ、好かれるとか気に入られるとかではなくて、「この人なら本当に思っていることを話せるな」と認めてもらえる存在になりたいです。そのためにはコミュニケーションの経験をもっと積み重ねることが大切だろうと考えています。

中高時代は部活動の部長を務めていたので、人の気持ちを理解して行動することができるようになりました。でも、「これからもっと成長していかないと」と思っています。僕が進みたい分野は小児領域。子どもたちは自分の思いを言葉にできないものです。それに、もともと素直な性格の子であったとしても、健康状態に問題があれば自信を失ってしまうでしょう。患者さんの気持ちを汲み取り、心を和ませることができる作業療法士になりたいです。

キャンパスおすすめスポット

図書館

医療福祉の専門書が豊富にそろっているので、日々の勉強の助けになります!

テラス

食事だけでなく、友人とのおしゃべりや勉強スペースにも使えるのでおすすめです!

グラウンドの周りには桜の木があり、春には一面さくら色で覆われた景色が楽しめます。

国際医療福祉大学 保健医療学部 作業療法学科

住所:〒324-8501 栃木県大田原市北金丸2600-1
電話番号:0287-24-3210(入試広報室)
視機能療法学科 50名/理学療法学科 100名/作業療法学科 80名/言語聴覚学科 80名

藤原 葵先輩

地域で活躍する専門家になりたい!
地元を再び見つめて夢を描く

昭和大学
保健医療学部
作業療法学科(令和5年よりリハビリテーション学科へ改組)4年 藤原 葵先輩

ケガで味わった悔しさが
「寄り添う存在」を目指すきっかけ

私は中学校から高校までバレーボール部に所属していたのですが、ケガによって理想のプレーができなかったとき、とても悔しい気持ちになりました。そうした経験からリハビリテーションの職に就きたいという思いが芽生え、高校3年生で進路を決めました。作業療法士という仕事に惹かれたのは、身体面のリハビリだけでなく、患者さんの心情に寄り添い精神面のリハビリもサポートできるからです。患者さんの生活について深く考えながら、本人が言語化できないことも読み取っていきたい。そんなことを願いつつ、これまで学習してきました。

大学選びの決め手は「寮生活」でした。昭和大学では全学部の1年生が集まり、1年間の寮生活を送ります。寮がある山梨県富士吉田市は自然がいっぱいで、私の地元と似て親近感が湧く場所でした。いろいろな学部の人と接することで、前よりもオープンな性格にもなれました。共同生活の中では、お互いに気を遣う場面も出てきますし、伝えるべきことは伝えなくてはなりません。そういった環境に身を置くことで、以前は苦手だった自分の気持ちを発信することが自然とできるようになり、コミュニケーションの面でも大きく成長できたように感じます。

生活全般のサポートもあり
見守る先生・励まし合う仲間

2年生で横浜キャンパスに来てからは、作業療法学科の仲間と切磋琢磨する毎日が始まりました。同じ目標を持つ者同士で、励まし合いながら勉強できるのはとても心強いです。国家試験の勉強をしていると、思うように成績が伸びない時期、不安に駆られる時期がやはり来ます。教え合い共感してくれる仲間がいることが、大きな力になっています。

真剣に学習する一方で、「日常生活をアクティブに楽しもう!」という気持ちも大事にしています。学科のみんなで体育館を借りてスポーツ大会を自主開催したこともありました。リハビリテーションの職に就くためにはたくさんのことを学習しなくてはなりませんが、楽しいイベントもちゃんとありますよ!

先生と学生の関係の深さも知ってほしいです。2~4年の学生3~4人に対して1人の先生が生活全般についてアドバイスする指導担任制度があり、友人関係やアルバイト先での悩みにもやさしく相談に乗ってくださります。何かあったら先生にいつでも相談に行けるので、心の支えになります。

作業療法士を目指すための学習は、知識を得る勉強にとどまりません。患者さんがリハビリの一環として取り組む革細工や陶芸にもチャレンジします。教わりながら慣れない作業をするのは大変ですが、学生同士の交流にもつながる楽しい場面です。

講義とともに体験的な学習を積み重ね、いよいよ実践に移すのが4年生の実習です。昭和大学の附属病院3病院の現場でお世話になりました。過去に見学などで訪問した病院ばかりなので、初対面の緊張感もなく受け入れていただきました。ここも附属病院の多い昭和大学ならではの強みでしょう。

実習期間は、患者さんのケアについて課題を見つけ、どのような処置をするか考えなくてはなりません。最初のうちは焦りと不安でいっぱいでした。でも、病院での指導者といっしょに行動するうちに、だんだんと自信を持って意見を言えるようになりました。基礎的な質問にも先生方が温かく答えてくださったおかげだと思います。

3か所の実習先はそれぞれ「急性期」「回復期」「精神領域」に特化していて、全く違う体験ができたのも大きな収穫でした。患者さんの特性に合わせて、どんなコミュニケーションを取るべきか考えられるように視点が広がった自覚があります。

患者さんの手の動きや機能を評価する機器の使用方法を実際に学生同士で練習します
日常生活動作をできる限り自立できるよう工夫された自助具の使用方法を学びます

地元に帰って活躍したい!
生活スタイルを提案する専門家へ

現在は国家試験の勉強を頑張っています。6~7人のグループで教え合いながら、問題集を一緒に解いて、知識を定着させていっています。「この日だけは友人と外食するぞ!」とリラックスできる時間を作って、モチベーションを保つ工夫もしています。

将来の目標は「地域の実情に合わせて活躍する作業療法士」です。卒業後の就職では、故郷に戻ることを決めました。患者さんの生活を細部まで把握して暮らしやすくなるケアを行うには、患者さんが住んでいる地域について深く知ることも必要です。例えば、車社会の地域で自動車に乗れない生活を強いられると、患者さんはとても辛い思いをするでしょう。そういう方に自動車に頼らない生活スタイルを上手く提案するには、地域の実情を知り、一緒に考える姿勢が欠かせません。

こうした目標を持ったきっかけは、昭和大学に進学して改めて故郷の現状を捉え直したことでした。高齢化が進み、生活環境が変わりつつあるなかで、たくさんの課題が表面化しています。お世話になった方々に恩返しができるよう作業療法士として働いていきたいです。

作業療法士の活躍の場を考えたときに、病院施設を想像する人が多いと思いますが、私のように地域の生活に根付いた支援を志して介護施設や訪問リハビリの現場を選ぶ人もいます。発達障害を抱える子どもたちの療育の一環として作業療法が選ばれることもあり、発達支援施設や小学校などへの巡回も始まっているそうです。

作業療法士は活躍の場をどんどん広げており、患者さん一人ひとりのバックボーンに合った支援ができるやりがいのある職業です。リハビリ職を考えている皆さんの中には、大学での勉強や実習を不安に思う人もいるでしょう。しかし、その大変さを超えた先に患者さんの笑顔や喜びがあることを想像してぜひ頑張ってほしいです。

キャンパスおすすめスポット

ADL実習室・在宅看護実習室

実習室内につくられた居住空間。日常生活動作の検証や在宅看護の体験ができます

スキルスラボ

実際の病室を完全再現したラボ室。患者さんに見立てた人形を使って実践的に学びます

作業活動実習室

作業療法演習に必要な物品を配置。学生同士で体験しながら学習を積みます

昭和大学 保健医療学部 リハビリテーション学科

住所:〒226-8555 神奈川県横浜市緑区十日市場町1865
電話番号:045-985-6500(代表)
作業療法学専攻 25名/理学療法学専攻 35名