理学療法士(植草学園大学・北里大学・東京工科大学)
大学卒業後、夢をかなえリハビリ職の専門家として活躍中の先輩や、現在、リハビリ職を目指して大学で学んでいる在校生にインタビュー。仕事のやりがいや、この進路を選んだ理由、学校選びのポイントなどをうかがいました。 「先輩たち」の生の声を進路選びの参考にしてください。
リハビリ職を目指す学生インタビュー 理学療法士編
小学2年生の時から憧れていた理学療法士の仕事。
「人を助ける」シンプルな気持ちを大切に勉強しています
植草学園大学
保健医療学部
リハビリテーション学科
理学療法学専攻3年 羽賀 水樹先輩
祖父のリハビリに同行
そこで知った理学療法士の仕事
小学2年生のとき、大好きな祖父が脳梗塞で倒れました。理学療法士という仕事があると知ったのはそのときです。祖父のリハビリについていく機会があり、そのときお会いした理学療法士の方が祖父のリハビリを支える姿に感動し、かっこいい仕事だと思ったのです。また母がソーシャルワーカーの仕事をしていたこともあり、理学療法の仕事についていろいろと教えてくれました。もともと人の役に立つ仕事がしたいと思っていたので、その日から理学療法士は私の憧れの仕事になりました。
スカラシップ制度が充実!
音楽療法士資格取得も魅力
植草学園大学に決めたのは、家から近かったことと、新入生対象スカラシップ制度(奨学金制度)が充実していることでした。私には弟が二人いるのですが、弟たちが大学までかかる費用のことを考えると、親の負担も考え、国公立を目指さないといけないと思っていました。でもこの制度を利用すれば、成績優秀者 ※に対し入学金の全額 と 1~4年次の授業料の全額または半額が免除になり、公立大学並みの学費になります。
しかも総合型選抜入試に合格したあとでも、共通テスト利用入試を再度受験するとスカラシップ制度の対象になり、受験料も免除になるのです。私も指定校推薦で合格はもらっていたのですが、スカラシップを利用したいと思い、共通テストを受け、無事合格しました。また共通テストでは国語、英語、数学、理科(生物基礎)の4教科のうち、2科目で勝負できるのも良かった点です。私は自信のあった国語と理科で受験しました。
もう一つは音楽療法士の資格が取得できることも魅力でした。高校時代、吹奏楽部に所属していたので、そのときに学んだことを活かせると思い現在受講しています。今も大学の吹奏楽サークルに所属し、そして現在進めている卒業論文も吹奏楽の経験に基づいたテーマにしました。
※ 合格者の成績上位20%の者
先生からもらった“ 自信” が
勉強のモチベーションに
小人数制ですので同級生は40人程度で、全員顔見知りのような環境で、みんなと仲が良いです。また先生との距離感がとても近く、担任以外の先生も私の名前を知ってくれています。私は自分に対してなかなか自信を持てないタイプなのですが、「羽賀なら大丈夫」と声をかけてくれたことで自信を持つことができました。
苦労した教科は1年後期の理学療法評価学の実習です。筋肉の名前や神経がどこを走っているか、目視できるわけではないし、触ることもできない。でもスポーツをやっていて、膝をけがした経験があるクラスメイトは、実際にリハビリを受けているので、筋肉の動きなど直感で分かるそうです。やはりこういう実技は運動をしていた人が強いなと思いました。テストでもさんざんな点数で、スポーツ経験者の友人にいろいろと教えてもらい、また座学はこちらが教えて、となんとか乗り切りました。
今は松岡先生のゼミに所属し、卒業論文に取りかかっています。主に内部障害が専門のゼミで、所属しているゼミ生もさまざまな研究をしているのですが、一人ひとりの研究をしっかりサポートしてくれています。
卒論のテーマは呼吸器に関する研究です。高校時代、肺が気胸になったことがあり、呼吸器や心臓のリハビリテーションに興味をもっていました。いまコロナのこともあって呼吸器疾患についてフォーカスされています。そのリハビリに自分の吹奏楽の経験が活かせないか、音楽療法の講義で学んだことも活かし研究しています。先生からは未開拓な分野でもあり、とても可能性のある研究と言ってもらえて、さまざまなアドバイスをもらっています。論文に必要なデータを取るため、この夏には母校の吹奏楽部に協力してもらったのですが、それも先生からの後押しがあったからです。後輩たちも興味を持って参加してくれて、理学療法のことも知ってもらえたのではないかと思います。
1月中旬から長期の臨床実習が始まります。また国家試験も控えているので、毎日15分は机に向かい、勉強をするということを習慣づけています。今のところは1,2年生の復習です。応用を勉強するようになって基礎知識が抜けていたことがあることに気づいたので、今からしっかり復習し備えておきたいと思っています。
一辺倒の知識だけで支えるのではなく
幅広い知識で患者さんに寄り添う
学校の勉強以外にも福祉住環境コーディネーターの資格も取得しました。私の目標は人を助けられる理学療法士になること。住宅設備においても、幅広くサポートできるようになりたいと考えています。そのため一辺倒の知識で支えるのではなく、いろいろ幅広い知識を持って患者さんに寄り添えるようになりたいです。
理学療法士は「人を助ける」というシンプルな気持ちがあってできる仕事だと思います。将来リハビリ職を目指しているのであれば、人の体に興味を持つこと。なぜこんな機能があるのか、こう動くのか、日常にあるさまざまな「何で?」を大切にしていくと良いと思います。
植草学園にはそうした「何で?」について、気軽に先生に聞きに行くことができ、どの先生に聞いても必ず答えてくれます。またそれぞれの分野での臨床のエキスパートが揃っているので実践的な話も聞くことができます。理学療法を目指す上で最適な環境だと思います。
キャンパスおすすめスポット
治療室
臨床で使用されている油圧昇降ベッドに加え,スポーツ理学療法で使用するレッドコードも設置されています。
運動療法室
運動療法機器や動作介助用具はいつでも使用でき,しっかり実習経験を積むことができます。
Kusu-kusu(食堂)
光あふれる明るいレストランスペースでゆっくりランチを楽しむことができます。
植草学園大学 保健医療学部 リハビリテーション学科
住所:〒264-0007 千葉県千葉市若葉区小倉町1639番3
電話番号:043-233-9031(代表)
募集定員:理学療法学専攻 40名/作業療法学専攻 40名
臨床だけでなく研究の道も究めたい。
根拠のあるリハビリが提案できる理学療法士を目指しています
北里大学
医療衛生学部
リハビリテーション学科
理学療法学専攻4年 池田 桃子先輩
北里大学のチーム医療演習に興味
英語を猛勉強し一般入試で受験
医療系の仕事に興味を持ち、大学受験に向けていろいろと調べていたところ、母から「理学療法士という仕事があるよ」と紹介されました。母の知り合いに理学療法士の方がいて、運動好きな私には向いていると思ったそうです。
中学からずっと卓球を続けており運動することは大好きだったので、理学療法士の仕事にとても興味を持ちました。
北里大学を受験したのは説明会にうかがった際、チーム医療演習を行っていること、また北里大学病院の先生が大学でも実際に講義をされるということを聞き、最先端の医療が学べると思ったからです。
大学は一般入試で受験しました。私の場合、英語が苦手だったので、「とにかく大学に行きたい!」という思いをモチベーションに、苦手を克服できるよう徹底的に勉強しました。第一志望は国公立大学でしたが、私立では北里大学を第一志望。ご縁あって北里大学に進学しました。
大学の先生からも実例の講義
理学療法学だけでなく医療の基本を学ぶ
理学療法学専攻は少人数制を取っており、私たちの学年は49名です。同級生はみんな勉強熱心で、まじめ。みんなコミュニケーション能力が高いので、話しやすい人たちばかりです。グループで実習をすることも多いので、クラス全員と仲良くなる機会があります。
また説明会でも聞いた、チーム医療演習では医学部や看護学部、作業療法学専攻など学部・学科を超えてチームを組みます。医療に関係する多くの学部があるからこそ、学生のうちからチーム医療を体験できるのだと思います。
また少人数制のため、実習や実技の際は先生に細かい所まで指導していただけます。先生との距離も近く、疑問点はすぐに質問できるような距離感で、とても学びやすいと感じています。
大学病院の先生からは、実際に先生が受け持たれた患者さんのリハビリについて講義があります。中でも急性期の患者さんのリハビリ実例は、実際に関わっているからこそのお話を聞くことができ、多くのことを学びました。
また、痰の吸引実習も実際に病院で使っている吸引器を使用し、実習したこともありました。そのほかにも、大学のIPE棟にある臨床スキルスラボでは、心音や呼吸音の症例を聴診できるシミュレーターロボットを使った実習もあり、このときの学習が臨床実習でも役に立ちました。単に理学療法の知識だけでなく、医療の基本的なところなど教えていただいています。
患者さんへの伝え方に苦心
学校で学べないことばかりの臨床実習
これまで大変だった授業はやはり実習です。
病院での実習は北里大学病院のほか、別の病院でも行います。1年生のときはコロナ禍だったので、見学実習のみ1日だけ北里大学病院で行いました。2年生の評価実習は他病院、3年生は北里大学病院で見学実習を行っています。このときは実際に一人一つの症例を受け持ち、問題点や評価項目をグループ内で話し合いながら、どのようなプログラムを組んだら良いのか検討しました。
実習の現場に行ってみると、2年生の評価実習では、それまで学生同士で行っていたことが、実際の現場では患者さんにちゃんと検査の内容が伝わらない、狙った動作をしてくれないといったことがあり、何も知らない人に説明することの難しさを実感しました。
4年生の臨床実習は2か月間でした。実習先として行きたい病院を第5希望まで提出し、家からの近さや学生の性格的に合いそうな病院を先生が選定します。
2年生の時と同様、事前に療法プログラムを考えていったのですが、やはり患者さんそれぞれ症例も性格も異なるため、治療したい部分へのアプローチができるような説明には苦労しました。体のこの部分が弱っているから、ここを鍛えないといけないということは分かっているのですが、実際にこちらの狙い通りに動作してもらうためには、違った工夫が必要だと気づきました。臨床実習は学校では学べないことがたくさんあり、本当に難しいことだと実感しました。事前の調査はもちろん、困ったときはとにかく先生に相談していました。
楽しかった授業は運動学の歩行分析でした。例えば実際の障害を再現し、膝が動かないようであれば歩行にどんな影響があるのか、筋肉や関節の動きなどを測定します。リハビリをする上で、歩くことが一番大事なことなので、授業を通してリハビリに必要な視点が得られたと思います。
卒業後は大学院に進学
心疾患患者さんのリハビリ方法を研究
2月には国家資格取得試験があるので、臨床で学んだこととしっかり結びつけ、細かい所まで理解することを心がけて勉強しています。
卒業後は心疾患のある患者さん向けのリハビリについて研究したいと思い、大学院に進学します。2年生の授業で興味を持ち、もっと研究手法を学びたいと思い、大学院に進むことを決めました。卒論は「心肺運動負荷試験」をテーマにしました。
しかし研究が一段落したら、臨床にも出たいという気持ちはあります。将来、臨床に出る場合のことも考え、いまはしっかり研究して、根拠のあるリハビリが行えるような理学療法士になりたいと考えています。
先生からは「いろんな視点で患者さんを診ること。性格や生き方も含めて見るように」と言われます。これから理学療法士として働いていく上でも大事なことだと思うので、この言葉を忘れないようにしていきたいと思います。
理学療法士の勉強はさまざまな疾患に対応できるよう覚えることも多いため、ハードな大学生活だと思います。でも私は興味のあることを勉強できてとても楽しかったです。どんなことをしたいのか、本当に自分の興味があることを選んで決めること、そこには同じように興味を持っている人たちがいるので、楽しく勉強していけると思います。
キャンパスおすすめスポット
学生ラウンジ
医療衛生学部 A1号館の各フロアにあります。
IPE棟図書館
在校生は誰でも利用することができ、調べものや自習等をしています。
動作解析実習室
日常生活の動作だけでなく、様々なスポーツ動作の解析を行えます。
北里大学 医療衛生学部 リハビリテーション学科
住所:〒252-0373 神奈川県相模原市南区北里1-15-1
電話番号:042-778-9700(入試係)
作業療法学専攻
40名/理学療法学専攻 45名/言語聴覚療法学専攻 30名/視覚機能療法学専攻 30名
医療保健学部の他学科の学生とコミュニケーションをとる機会も多く、
チーム医療の大切さを実感しています。
東京工科大学
保健医療学部
リハビリテーション学科
理学療法学専攻3年 木村 郁哉先輩
小学4年生で知った理学療法士の仕事
将来の職業にしようと決意
小学4年生から高校までアーチェリー競技をやっていました。その間、腰を痛めたり、指を骨折したり、整形外科でリハビリを受けることが多くあり、リハビリ中は理学療法士の方といろいろなお話をしていました。そこで、ある時「リハビリのお仕事ってどういうものですか?」と興味本位で聞いたのです。担当の理学療法士さんは「とてもやりがいがある」「患者さんから『ありがとう』と言われるとこの仕事で良かったと思う」とおっしゃり、それがとても印象的でした。良い仕事だな、と思ったのと同時に理学療法について興味が湧き、仕事内容について自分でも調べ、中学生の段階で将来は理学療法士になろうと決めました。
理学療法士になるための質問をしたこともあります。「まず高校生活を楽しんで、それでも理学療法士になりたい気持ちが変わらなければ、理学療法の道に進んでもいいのでは」とアドバイスをもらいました。
大学を選ぶ際には2〜3校ほどオープンキャンパスに参加し、その中でも東京工科大学はコミュニケーションやコラボレーションする力、ICT リテラシーの養成に力を入れていることがとても印象的でした。1学年の人数も少なく、先生と学生との距離も近いことや、困ったときにすぐ相談できるような環境で、コミュニケーションしやすい学校だなと感じました。またチーム医療を意識した取り組みを行っているという説明もあって、そこにとても魅力を感じました。
骨折治療の授業で気づいた患者側の視点
グループワークだからこそ学べたことも
やはり「工科大学」というだけあって、コンピュータを活用した授業が多いと思います。例えば、運動学の授業では、人の動作を分析できる三次元動作解析装置を使います。実際に患者さんに大学に来ていただいて、カルテを見ながら、患者さんのデータや実際の動作を見て学ぶこともありました。
この授業は、1年次後期から3年次前期くらいまで段階的に学ぶようになっていて、1年次で人間はどうやって歩くか、座るのかなどの基本動作を学び、2年次では扁平足の場合はどう歩くかなど、少し専門的な見方をします。一気に教えるということではなく、そのほかのカリキュラムで学んだ知識を活かし、さらに深く理解できるようになっていると思います。
またグループワークも多いです。ほとんどの授業で2人、多いときは8人くらいでグループを組みます。グループ内でコミュニケーションを取りながら意見交換することで、いろいろな視点が得られ、一人だと気づかないような発見があります。グループワークで特に印象的だったのは、義肢装具学での実習です。その時は骨折箇所を石膏で固めて固定する治療を、実際に体験する授業でした。石膏で固めたギプスを取り外す際は専用のギプスカッターを使います。同じグループで骨折経験のあるメンバーからは「このカッターが怖かった」という人がいたのです。カッター部分が高速で回転するので、私も初めて使ったときは、誤って腕を切ってしまうのではないかという恐怖感がありました。実際には指を当てても切れないくらい、患者さんには危害がないよう安全に配慮されているのですが、患者側の視点にも立って考えることなど、臨 床実習でも役立つようないろいろな気づきが得られた授業でした。
3年次で長期の臨床実習
嬉しかった「ありがとう」の言葉
3年次では長期の臨床実習に行きました。患者さん一人ひとり痛みや感じ方が違うように、その痛みに対するアプローチの仕方も一人ひとり違います。学生同士で行っていた実習と異なり、やはり現場は違うことを実感しました。
実はコミュニケーションをとることにちょっと苦手意識がありました。実習前はどうなるかと思いましたが、患者さんには専門用語を使わないように分かりやすい言葉を使うなど、アプローチの仕方について習ったことをきちんと発揮できるよう心がけたところ、思ったよりスムーズにできました。
それでも最初の頃はすごく緊張しました。でも2週間目くらいになると、患者さんから「なんか慣れてきたね」「ありがとう」という言葉をかけてもらえて、とても嬉しかったです。
4年次になると長期の臨床実習を2回行います。次の実習では、体の中の内部障害や骨折した患者さんへの治療について、もっと身につけて臨みたいと思っています。
“その人らしい生活” をサポートできる
理学療法士になることが目標
東京工科大学には看護学、作業療法学、言語聴覚学などの学科・専攻もあるので、授業によっては一緒に受講し、グループワークを一緒に行うこともあります。先生との距離も近いせいか、意見交換も活発です。これからチーム医療が大切になっていく中で、同じキャンパス内で別の学科の学生とコミュニケーションできることはとても刺激的で、勉強になります。
蒲田キャンパスには医療保健学部だけではなく、デザイン学部もあります。私はハンドボールサークルに入っているのですが、サークル活動を通じて医療保健学部以外の学生とも知り合うことができるので、それもとても楽しいです。
また今後は、スポーツもいろいろ体験してみたいと思っています。さまざまなスポーツを体験することで、スポーツがもとで怪我をし、治療が必要な患者さんにも寄り添った治療ができると思うからです。
目指している理学療法士像は、一人ひとりに合った理学療法を行い、その人らしい生活を送れるサポートができるようになること。大学での学修や自分でチャレンジしたさまざまな経験を活かし、臨床で活躍できるようになりたいと考えています。
キャンパスおすすめスポット
機能訓練室
高度な動作解析装置が整う機能訓練室。卒業研究などで学生も活用しています。
学生ラウンジ
夕陽がきれいに見える場所。みんなでご飯を食べて過ごすこともあります
治療室
広々とした実習室で授業を受けます。手技を練習するためのベッドも豊富に用意されています。
東京工科大学 医療保健学部 リハビリテーション学科
住所:〒144-8535 東京都大田区西蒲田5-23-22
電話番号:0120-444-925(広報課)
理学療法学専攻
80名/ 作業療法学専攻 40名/ 言語聴覚学専攻 40名